学科の構成
地球科学科の構成は、大きく2つの部門に分かれます。地球環境教育研究部門には4つ、地震火山教育研究部門には2つの領域があり、それぞれの研究室があります。幅広く地球科学の分野を学ぶことができます。

学科の紹介・スタッフ
地球環境教育研究部門
気圏環境科学領域
気象・気候は、我々の最も身近に感じる地球の営みです。その範囲は幅広く、日々TVで見る天気予報から、気象災害、地球規模の気候・気象の変化まで扱います。地球温暖化・エルニーニョといった言葉を一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
また、気象予報士資格の取得を目指して、頑張っている学生もたくさんいます。
気候気象システム研究室では、気圏システム・異常気象・気候変動の研究、特に気象・気候諸現象のメカニズム解明をメインテーマとして探究しています。また、気象予報士の育成にも力を注ぎ、近年、在学中に合格する学生が増えているという特色があります。

三隅 良平
ミスミ リョウヘイ
MISUMI Ryohei
近年、気象災害が頻発しており、大きな社会問題となっています。 気象災害のメカニズムの解明を目指し、気象レーダを用いた豪雨の解析、 観測やシミュレーションに基づく降水過程の基礎研究、 降雪過程の研究などに取り組んでいます。

環境気象気候研究室では、地球温暖化、風力発電など社会とつながりを持った研究テーマを中心に、コンピュータで膨大な気象・環境データの解析を行っています。また、海風や塩害など、気象観測を通じた実態解明なども行っています。実物・実態に触れることを重視し、毎年巡検ではエネルギー関係施設や研究所を訪問しています。

水圏環境科学領域
水ほど我々の暮らしに密着した物質はありません。それゆえに、人間活動は水環境に大きく影響を与え、また水環境によって人間社会も影響を受けるという関係があります。水資源の枯渇や、河川や地下水の水質汚染など、人間社会にとって克服しなくてはいけない大きな課題がこの分野に見られます。
環境地球化学研究室では、雨水から河川・湖沼・地下にある水まで、地表付近にある水の環境や循環に関する問題を扱っています。これら水について地球化学的アプローチにより水質がどのように形成されているのか?水質汚染の原因はどのようなことにあるのか?などを明らかにする研究を行っています。

水圏環境科学研究室では、主に河川や湖沼の流域を対象に水・物質循環の解明と健全化を目的とする研究を行っています。モニタリング(現場観測)とモデリング(解析モデルを用いた数値シミュレーション)をつうじて、水質汚染や洪水など水に関わる様々な課題に取り組んでいます。

地圏環境科学領域
現代の我々の生活は、地球の資源によって支えられています。その資源は、地球の歴史の中で一体どのようにして作られたのかを学びます。また資源は使い方によっては枯渇したり、周囲の環境を汚染するなどの問題を引き起こします。持続可能な社会を作るために資源問題は欠かせないテーマです。
原子力発電所から発生する放射性廃棄物の処分、福島第一原子力発電所事故による影響、揮発性有機化合物や重金属汚染による土壌、地下水汚染など我々が生活をしていく上で後送り出来ない環境問題が山積しています。地圏環境研究室では、これらの問題に地質学や水理学の観点からアプローチします。

地圏領域で起こる現象を説明するメカニズムには未解明な点が多く残されています。地質工学研究室では、現象を実験により再現することで現象を理解する研究を行っています。対象は断層の形成メカニズムや液状化などです。最近では、この他に地圏空間の有効利用のための技術開発や環境影響評価の研究も進めています。

現在、地球上には多様な生物が生息しています。見た事のない生物が、秘境のみならず身近な場所でも生活を繰り広げています。何処にどんな生物が、どのように生活をしているのか?進化古生物学研究室では、生物を様々な角度から観察し、生物がたどってきた進化の道筋や地球環境との関係について研究しています。

環境リモートセンシング領域
人工衛星や航空機から撮影された画像に現地観測データや現地調査結果を合わせて解析し、グローバルから地域までの環境のようすやその変化について学びます。たとえば都市部の開発とヒートアイランドの状況を調べたり、気候変動に伴う環境変化や自然災害監視などテーマは様々で、幅広く地球をとらえるのがこの分野の特徴です。
リモートセンシング研究室では、人工衛星や航空機より観測した画像データに現地計測データなどを合わせて解析するリモートセンシングを地球環境科学へ適用し、地表被覆変化、植生変動、氷河変動、地表温度変化などの調査を通して地球環境変化を分析するとともに、洪水・地震・火山などの自然災害発生状況の監視を行います。

地震火山教育研究部門
地球物理学領域
日本は地震大国といわれます。なんと世界で起こる地震の約1割が日本で起こっています。地震・火山共に、大きな災害の原因になり、地震や噴火の起こる仕組みを理解すること、過去の地震・火山災害を検証すること、地震・火山災害を未然に防ぐ技術を確立することなど、どれも日本に住む我々には欠かすことのできない知識・技術です。
地球物理学研究室では、地震や地球の内部構造、火山に関連する研究を行っています。地震については、地震の起き方や地面の揺れ方を分析します。地球の内部構造に関しては、観測された地震波から地球深部の様子を推定します。また火山の下の地震波の伝わり方や火山に関連した地震の特徴も研究テーマです。

研究室名の「地殻活動」は聞きなれない言葉かもしれません。地震や火山噴火、地殻変動など、地殻内で発生する現象全体を総称して地殻活動と言います。この研究室では特に地面のわずかな位置変化(地殻変動)に注目し、我々の足元で起こっているダイナミックな大地の変化である地殻活動について学生の皆さんと考えています。

火山・岩石学領域
環太平洋火山帯の一部である日本は、世界でも活発な火山活動のみられる場所にあります。日本は火山大国とも言われます。噴火の起こる仕組みや地下でのマグマ活動を、実際にフィールドに出たり、岩石を分析したりして探ります。また過去の火山活動とその災害をよく知ることは、将来の噴火の活動予測や防災の上でも欠かせないこととなっています。
学科助手

加藤 直子
カトウ ナオコ
KATO Naoko
地震の原因の一つである活断層。地表に現れているものもあれば地下に伏在しているものもあります。そのような活断層の深部形状や島弧地殻の進化プロ セスを明らかにするために、反射法地震探査という手法を中心に地質学・地球物理学・地形的手法を用いて地質構造のモデル化に関する研究を行っています。
学科事務
サカジリ メグミ
SAKAJIRI Megumi
カトウ ケイコ
KATO Keiko